木にまなべ
西岡常一さんという名前だけでわかる人も多いと思う。
私は、以前から見聞きしていたはずの名前だけれど(木とか建築関係で)、強く意識し始めたのは、一年ほど前オークビレッジの社長の講座で紹介された時だと記憶している。
法隆寺の宮大工棟梁であった。
棟梁の口伝ということで、様々な言葉を伝えてくれている。また、彼個人のことばもとても深く心に響く。
およそ棟梁という仕事は、プロジェクト・マネジメントだと知ることになる。
しかもモダン・プロジェクト・マネジメント日本版といえるのではないか。
千年を超えて伝わる言葉たちが、それをしめしている。
恐らく最も知られている口伝に以下がある。実に耳が痛い。
『
塔組みは 木組み
木組みは 木の癖組み
木の癖組みは 人組み
人組みは 人の心組み
人の心組みは 匠長が工人への思いやり
工人の非を責めず己の不徳を思え
』
匠長を自分に当てはめる。
すると、塔はなにに当たるだろうか。木は?木の癖は?人は?工人は?
職場はもちろん、あらゆる組織や、家庭で、この言葉は当てはめられるように思える。
人は周囲の人々に少なからず影響されたり、したりしているのだから。