木と対話する

《口伝の重み》より

河合隼雄(文化庁長官)
「木が泣きよります」というその感覚、感じというのはほんとうに大事です。話が飛ぶようですけれども、ドイツの児童文学の作家でミヒャエル・エンデという人がいるんです。
《中略》
そのエンデさんが日本に来て話をした時、彼が言うには「私は庭の木と対話している。そんなことをドイツで言ったら頭がおかしいと思われる。ところが日本に来て言えるからうれしい」と冗談まじりで言っておられました。日本だったら「木と対話している」と言ってもだれもおかしいとは思わないような分化は残っていますからね。

インタビューがあったのは河合氏が長官在任中のようだ。

宮大工棟梁の木の話から、エンデの話へとずいぶん飛躍にも思えるが、わたしには、とてもしっくりくる。

そうだろう、そうだろう、という感じ。
土が大事で、農業が大事で、教育が大事と、棟梁はルドルフ知らないと思うけど(というか宮大工の方が歴史はぜんぜん古いが)、言ってることの繋がりが面白い。